日本限定モデルができるまで — ミリタリーシリーズの開発秘話 —

パイロットウォッチからミッションタイマー、ファイナンシャルウォッチなど、実に多彩なバリエーションを持つジンのコレクションですが、毎年ご好評いただいているのが、日本からの提案で開発される日本限定モデルです。MEISTERBUND(マイスターブンド)やMilitary(ミリタリー)、ショップの限定モデルなどシリーズ化されているコレクションもあり、日本でしか手に入らないため海外からの問い合わせもいただきます。
中でも、2009年にそのファーストモデルが誕生した「Military/ミリタリー」シリーズは、ドイツからの意見も多く取り入れ、ジンらしさとプロダクトに対する日本の細やかな配慮が凝縮された“次世代のミリタリーウォッチ”です。ジンのレギュラーモデルをタイプIと捉え、この日本限定のシリーズは「Type Ⅱ/タイプⅡ」からスタートしています。
今回のメールマガジンでは、このミリタリーシリーズの開発経緯をご紹介いたします。
なぜそのモデル名をMilitary Type Ⅱ/ミリタリータイプⅡとしたか?

1986年にジンが日本に上陸して以来、国内ではジンと言えばミリタリーウォッチのイメージが定着していました。勿論ジン社としては様々なモデルを発表してきましたが、ミリタリーのイメージは揺るがないものとなっておりました。そんな中2006年にそのイメージを揺るがすモデルが発表されました。それがクラシックシリーズです。その中心的なモデルであったモデル6100(現在は生産終了)はレギュレーターでいかにもクラシックなダイヤルデザインで、これまでのジンファンからは手厳しいご意見が多くあったと記憶しております。
ディテールを良く見ればジンらしさがあるモデルではありましたが、ファーストインパクトが衝撃的でした。時計メーカーとしてはこのようなラインアップがあっても変ではないのですが、日本で受け入れられるには時間がかかりました。
また、このころは市場での可能性を広げるため『ジン=ミリタリー』のイメージをあえて使わないようにしていた時期でもありました。そのような紆余曲折の中、これまで定着してきたイメージを使わない事は逆に可能性を下げてしまっているのではないか?との見地から直球のミリタリーモデルを作ろうとの考えで2007年にこの企画がスタートしました。次世代のミリタリーウォッチとのコンセプトでモデル名を『Military Type Ⅱ/ミリタリータイプⅡ』としたわけです。
最初の企画段階から3針とクロノグラフの2タイプでのデザインコンセプトを考えており、タイプⅡの発売から4年後の2013年に3針のミリタリータイプⅢを発表しました。タイプⅢは時間の視認性を最大限に優先したデザインで、時分針とインデックスを強調させるために、最終的にモデル名とセコンドインデックスをロービジビリティ(低視認性)としました。秒針とArマークを赤くする事でタイプⅡからの流れをイメージさせており、同じデザインコンセプトなのが良くわかると思います。毎年、日本限定モデルを発表していますが、これまでの日本限定モデルの中でも特に印象に残るモデルです。
開発の流れ
日本限定モデルを開発する際には、大抵の場合、日本において手書きのラフを基にグラフィックデザイナーにドラフトとして時計のデザインを仕上げてもらいます。この段階では、時計ケースのフォルム、ダイヤルカラー、針のデザイン、全体の配色などをイメージします。これをドイツに送り、時計としての設計に入ります。この段階で各パーツの時計としての検証が行われ、ジンからの提案も加味され、ミリタリーシリーズでは特に針のデザインが最適化されました。モデルにより異なりますが、デザイン画の第一案完成のあと、製品についての意見をドイツと交わし、デザイン画のやり取りも何度も行います。以下がサンプル製作前のミリタリーシリーズの最終のデザイン画と完成した製品です。
Military Type Ⅱ/ミリタリータイプⅡ
Military Type Ⅲ/ミリタリータイプⅢ
最終決定したタイプⅡとタイプⅢの製品仕様




