Sinn SZ MovementジンのSZムーブメント
ジンでは、自社改良により製作したムーブメントを、SZムーブメントと呼んでいます。熟練した時計職人たちが、すでにさまざまなSZムーブメントを世に送り出してきました。その実現を可能にしたのは高度なエンジニアリング技術です。一目で分かるレイアウトと読みやすさの向上を狙い、定評のあるムーブメントをベースに、技術的な新設計を行っています。
SZムーブメントの製品化は、量産体制に持ち込むまで自社で実施。工程には、企画、設計、プロトタイプの制作、量産前の試作品製造が含まれます。十分なテスト段階を経た後、SZムーブメントの量産工程が開始します。結果として得られるもの、それは、一つひとつが特別な技術特性によって秀でる高品質キャリバーです。
SZムーブメントには以下のようなものがあります。
SZ01
SZ01はジン社により特別に開発されたもので、開発のスタートは2003年にまで遡ります。
再設計にあたり最優先に考えられたのは、クロノグラフ機能における読み取りやすさを大幅に高めることでした。そのための解決策として、SZ01では通常の30分積算計のかわりに60分積算計を搭載し、しかもそれをスモールダイヤルではなく、センター配置の積算計としました。これによりユーザーは、迅速かつ簡単に正確な時間の経過を読み取ることができるようになりました。このクロノグラフの明確さと明らかな読み取りやすさは、よく知られたレマニア5100ムーブメントに由来するものです。
SZ02
SZ02は、SZ01の考え方を少し変更して、60分積算計をオフセンターに配置して作られました。
SZ02とは対照的に従来のクロノグラフは30分積算計しかなく、クロノグラフの12時間計の中間のインデックスが時計の時間のインデックスにとても近く配置されているので、計測時間が読み取りにくいのです。唯一この小さな12時間計の針でしか、0から30分の時間と30分から60分の時間を区別することができません。SZ02は、直接的に0から60分を読み取ることが可能です。
SZ02は2006年、ドイツでのワールドカップ開催年に完成しました。それゆえ、303.FOOTBALLというクロノグラフに搭載されました。このキャリバーはそれ以来、完璧な視認性を得るためにダイビングウォッチU1000シリーズやEZM13シリーズで信頼性の高い基盤を作り、その価値を証明しています。
SZ03
SZ03は、6時位置に搭載した52週の暦週表示が特徴的なキャリバーです。
このムーブメントは従来のクロノグラフを特徴づけていた30分積算計があった12時位置に、SZ02と同様にクロノグラフの60分積算計も搭載しています。
さらに、ムーブメントには日付、曜日、月が表示されます。
一目でカレンダーの週表示を直感的に認識しやすくするため、SZ03では60分積算計と並べて配置しています。
SZ04
ジンはUnitas6498(ユニタス6498)というポケットウォッチ用のキャリバーを改良しレギュレーター機構を搭載しています。
レギュレーターのポインターは、調整や点検の目的のために大きなダイヤルを持つ精密な振り子時計に見られる特徴を思い出させます。分針の視認性を高めるために、時間と秒のダイヤルは小さくオフセンターに配置されています。
さらなる摩擦損失を与えることなく、また追加のギアを使用せずに、時間表示はセンター配置から12時位置に変更されました。Unitas6498はすでにスモールセコンド表示を備えていました。SZ04は時間、分、秒表示のために独立した3つのダイヤルを持ったレギュレーター機構という時計にとって最適な表示方法であると言えます。
SZ05
再設計の目的は、ダイヤル表示の明確さと視認性を大幅に向上させることでした。SZ05では3時位置のクロノグラフ60分積算計と9時位置のスモールセコンド表示の両方に焦点をあてました。従来のストップウォッチの30分積算計で要求されるように、分を積算する面倒がありません。60分までの計測とスモールセコンド表示だけの必要最小限のすっきりとしたレイアウトが特徴です。
SZ06
2019年誕生したムーンフェイズ表示とフルカレンダー表示を備えたクロノグラフムーブメントです。
SZ06は、従来のクロノグラフの12時位置にあった30分積算計を60分積算計に変更したクロノグラフに、6時位置のムーンフェイズ表示とフルカレンダー表示を備えたクロノグラフです。