Professional × Sinn Watches過酷な条件下で活動するプロたちが愛用する理由

  

ミッションタイマーEZM12を愛用する兵庫県の救急医、伊藤岳こだわりから生まれたものに強い愛着を持って

兵庫県立加古川医療センター救命救急センターの救急医、伊藤岳は、ドクターヘリの救命医師のために開発されたEZM12を愛用しています。ドクターヘリやドクターカーに乗務し、病院前診療、重症患者の救急診療、ICUでの集中医療に従事しています。彼が勤務する兵庫県立加古川医療センターは、2009年に兵庫県の東播磨地域に開設され、『営業時間:24時間営業』という表記のとおり、24時間365日、重篤な患者さんや他に受け入れ先のない患者さんが搬送されてくる「命の現場」です。

始まりは国産の時計から

そんな過酷な現場に勤務する彼が初めて手にした時計は、中学校に入ったときに買ってもらった、国産のアナデジタイプの腕時計でした。その後、趣味の登山で高度計機能を搭載した腕時計を着ける以外は、普段、腕時計を身に着けない生活でした。

『医者二年目の時に、仕事中のとある出来事がきっかけで腕時計を着けるようになりました。最初の仕事用時計には確かシンプルな見た目の時計を選んだのですが、これは特別荒っぽい使い方をした覚えもないのに、かなり早々に壊れました。ちょうどその頃、他メーカーからデザインの良いクォーツ製クロノグラフが出ており、飛びついたのを覚えています。』

この頃から時計に興味を持つようになり、ジンというブランドを知ることになります。『当時の同僚がジンのEZM4を使っていたこともきっかけの一つだと思います。あのデザインは衝撃的でした。でも、当時の僕には価格的にもデザイン的にもそこまで冒険する勇気はなかった』

モデル144からEZM12へ

そこで選んだのが、ジンの144.GMT Lufthansa Cargoです。当時のジンのラインナップの中で、パイロットウォッチとしての機能性を追求したプロ仕様の設計に、ルフトハンザ航空カラーというジンにしては珍しいカラーリングは遊び心もあり、個性的で人と被らないものを好む彼の心に響いたようです。のちにジンのEZM12を手にするまで、144は15年以上にわたり唯一の愛用の時計となります。初めての機械式腕時計であり、裏蓋のシースルー構造も魅力的で、彼にとって“機械式時計へのあこがれが形になったようなモデル”でした。オーバーホール期間以外はオン/オフを通じてほぼ毎日のように着けていました。

そんなある日、時々訪れる時計店でジンのEZM12に出会います。ちょうど前述の144を3回目のオーバーホールに出そうと、お店に足を運んだときでした。もともと「その道のプロ」の仕事やテクニック、思い入れといったものに惹かれることが多いため、ジンのラインナップの中でもEZMシリーズはとても気になる存在だったそうです。そして、まさに自分が従事する「航空医療」という領域を意識して作られたこのモデルに強い愛着を感じたのです。お店のスタッフから、このモデルの細部にわたるこだわりや、機能性、ジンがこのモデルに込めた思いを聞くうちに、見る見るうちに引き込まれてしまいました。何よりフライトドクターのために開発されたというデザインに、一目惚れしたのです。そして144に加えEZM12のユーザーにもなりました。今では、ドクターヘリやドクターカーの当番日にはこのEZM12が必須の装備品となっています。

細部まで水洗いできる実用性の高い構造

EZM12の視覚的な特徴は、「プラチナの10分」と「黄金の一時間」というヨーロッパでの救助活動における目安となるスケールですが、基本的なコンセプトは、頑丈で実用的な時計であるということです。そのため、傷や温度、磁気などに耐久性があり、ラテックスやニトリル製手袋を引き裂かないようシャープなエッジやコーナーを排除し、飛行中の揺れを想定した見やすさも考慮されています。そして、実用性の観点から彼が何より評価する点は、ベルトと回転ベゼルを簡単に外せて細部まで水洗いできることです。『血液の付着した時計を洗うたびに、この時計の良さを感じます』

他の時計では見ることのないこの構造のきっかけとなったのは、EZM12の開発に協力したドイツの救急科専門医であるアイク・ノイバーの体験です。洗浄を想定し、超音波検査用ジェルなどの薬剤や飛行中触れる可能性のある油圧オイルや航空燃料に対する耐久性も検証済みです。

人目を引く秒針“パルスローター”

4枚の羽を持つヘリコプターのローターの形状にデザインされているEZM12の秒針は、脈拍計測のパルスローターの針も兼ねています。『パルスローターの形状に目をとめて、「その時計は何かヘリコプターと関係があるの?」と訊かれたことがあります。また、レスキュー業界で良く用いられるオレンジが入っていることも目を引くようですね』

各種登山への医師としての同行や、山小屋での医療演習、山小屋診療所での診療など、医療人として登山をする際には、一見して時間経過を認識しやすい、簡便に心拍数を評価できる、といった理由でこの時計を使用することが多いそうです。

時計を通じてつながる思い

EZM12は彼にとってどんな存在なのでしょうか?
『腕時計は時間が分かればそれでよいとか、ファストファッション的に消耗品のような認識で選ぶ人も、最近では多いと思います。利便性で言うとスマートウォッチなんかはすごく多機能ですし。そんな中で自動巻きの、重くて、決して安価ではない(そして結局のところ時間しか分からない)時計を選ぶ理由は、最終的には「カッコよさ」とか「こだわり」なんじゃないかと思っています。僕にとってのEZM12は、最高にカッコよくて、素敵なこだわりの詰まった相棒です。』

ジン社とドイツ人の救急科専門医が協力し開発したEZM12は、世界中の現場で活躍する多くのプロたちに愛用されています。プロフェッショナルのプロフェッショナルによるプロフェッショナルのための時計・・・・・ジンには、こんなストーリーがあふれています。

EZM12
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伊藤 岳/プロフィール
兵庫県立加古川医療センター救命救急センター在勤の救急医として、ドクターヘリやドクターカーに乗務しての病院前診療、重症患者の救急診療、ICUでの集中治療などに従事。夏季休暇を利用し北アルプス三俣山荘診療所での診療に携わる他、公益社団法人日本山岳ガイド協会ファーストエイド委員長として、山岳ガイドの救護教育にも関わる。
(共著)「図解 山の救急法」東京新聞,2018

兵庫県立加古川医療センター救命救急センター
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