Columnコラム

映画やドラマに登場したジンの
ミッションタイマー「EZM3」

映画やドラマの中で、登場人物が着用している時計が気になったことはありませんか?Sinn(ジン)のミッションタイマー「EZM3」は、そのデザインと機能性から、刑事や自衛隊隊員などの役柄にぴったりの腕時計として、Sinn(ジン)の時計の中では最も多くの作品に登場し、その高い耐久性がプロフェッショナルな現場を支えています。このコラムではEZM3の魅力を深掘りし、ミッションタイマーならではの視認性や着け心地、耐久性といった魅力を徹底解剖。EZM3がなぜミッションタイマーの代表格として支持されるのか、その秘密に迫ります。

EZM3

EZM3役柄が刑事や自衛隊隊員ならこのモデル

高い防水性や、耐磁性、温度耐性などにおいて、Sinn(ジン)の時計の耐久性の高さは誰もが知るところです。また、本国では特殊部隊などが装備しているブランドということで、映画やドラマにおいてその役柄が刑事や自衛隊の隊員、SPといった職業の場合、Sinn(ジン)に着用のための貸出し依頼が来ることが多々あります。中でも映画やドラマに登場する回数が一番多いのがドイツ警察特殊部隊用に開発された「EZM3」です。映画着用のための時計は今までたくさんの役者さんに着用していただきました。大ヒットとなった海上保安庁の救命潜水士が主役の映画での着用はよく知られていますが、先週公開となった映画でも海上自衛隊の原子力潜水艦で指揮を執る艦長の腕でEZM3を見ることができます。

EZM3

MISSION TIMERミッションタイマーの代表格EZM3

EZM3

EZM3はSinn(ジン)の中では“ミッションタイマー”に位置づけられ、現行のEZMシリーズでは一番長く継続しているモデルです。「EZM」という言葉は、出撃用計測機器を意味するドイツ語「Einsatz Zeit Messer(アインザッツ ツァイト メッサー)」の頭文字です。ちなみに、EZMの後ろにつく数字は開発がスタートした順番なので、必ずしも発売した順番とは限りません。EZM3は3番目に開発がスタートし、EZM1、EZM2、EZM4に次いで2001年に4番目に発表、そして発売されたミッションタイマーです(EZM1、EZM2、EZM4はすでに生産が終了しています)。

ミッションタイマーEZMの一覧はこちら

このEZM3ミッションタイマーならではの、ダイヤル12時位置の太い2本線のインデックスがデザイン的なポイントですが、以下のような多くの特長を持った人気モデルです。

時計の本質である高い視認性

ミッションタイマー
しっかりとインデックスに届く
長い針

EZM3の3本の針は、分針・秒針はもちろん、時針もインデックスにしっかりと到達するデザインです。分針は長く先端が細くなっているため判読性がとても高く、長い秒針を含む3本の針により、ストレスなく時間を読み取ることができます。

ミッションタイマー
暗所での視認性を確保した
夜光処理

ミッションタイマーの特色のひとつである12時位置のインデックスのみが太い2本線になっているため、EZM3は暗所や薄暗い海の中でも12時位置を瞬時に把握することができ、たっぷりと塗布されたスーパールミノバで確実な読み取りを可能にします。

ミッションタイマー
ダイビングに不要な部分を赤色に

“必要な機能だけを搭載する”というSinn(ジン)の時計作りのモットーに従い、EZM3のダイヤルではダイビングに必要な機能だけに集中するため、一部の文字表示と日付表示を赤色にしています。海中では10mを超えたあたりから赤い光が吸収され海中に届かなくなるため、赤い色が見えにくくなるのです。

日常での重要ポイントである
着け心地の良さ

ミッションタイマー
ケースサイズは直径41mm

直径41mmというEZM3のケースサイズは一般的な太さの腕にはもちろんですが、腕回り13cmほどのとても細い女優さん達でも無理なく着けていただきました。黒い幅広の回転ベゼルがあることで時計は引き締まって見え、ボリューム感を感じさせません。

ミッションタイマー
腕に干渉しない逆位置リューズ

EZM3は、ミッションタイマーの基本設計である“逆位置リューズ”のスタイルなので、リューズが腕に当たることなく、快適な装着感が得られます。プロフェッショナルたちのミッションでは、使用機器にリューズが干渉しないための配慮です。

ミッションタイマー
ミッションタイマー
ケースの厚さは12.3mm

EZM3のケースの厚みは12.3mmです。もちろんドレスウォッチなどと比べれば堅牢な印象ですが、500m防水という高い防水性を備えたダイバーズウォッチとしては、コンパクトで適度なボリューム感を持ったモデルと言えます。

ミッションタイマーならではの
耐久性

ミッションタイマー
ヘキサゴンスクリューを備えた
ブレスレット

ブレスレットには、ヘキサゴンスクリューと呼ぶ六角形のヘッドが付いたネジを採用しています。両側からレンチによって取り外すため通常の駒ネジに比べ抜けにくく、太さがあり頑丈で、取り付けしやすい仕様です。ブレスレット自体の強度も高い作りです。

ミッションタイマー
DNVが認証する防水性能

DNVはノルウェー・オスロに本拠地を置く認証機関で、150年以上の歴史を持ち世界100ヵ国以上で活動する国際機関です。2005年からSinn(ジン)の検査・認証を行っていたゲルマニアロイドと合併以降もSinn(ジン)の腕時計の認証を行っています。ミッションタイマーEZM3は500mの防水性能が認証されています。

ミッションタイマー
除湿機構

EZM3は、ジンではお馴染みの3つのジン・テクノロジーを備えています。その一つ、Arドライテクノロジーは、特殊乾燥剤を装填した小さなドライカプセルを主な要素とする除湿機構で、時計を湿気から守り風防の曇りを防止します。

ミッションタイマー
ミッションタイマー
100mTの耐磁性能

EZM3が持つ100mT(=80,000A/m)の防磁性能は、DIN(ドイツ工業規格)で定められた耐磁時計の4,800A/mを超え、JIS(日本工業規格)第2種耐磁時計の16,000A/mをはるかに上回ります。ガウスでは1,000ガウス(ミルガウス)となります。

ミッションタイマー
ミッションタイマーには不可欠な
高温・低温での耐性

過酷な環境での使用を想定したミッションタイマーでは、時計のムーブメントオイルにSinn(ジン)が開発した特殊オイル66-228を使用しています。低温でも固まらず、高温でも蒸発しないオイルにより、時計は-45℃から+80℃の温度での精度が保証されます。

EZM13.1ダイビングクロノグラフならこのモデル

EZM3.1

EZM3は三針タイプのシンプルなモデルですが、このモデルにクロノグラフ機能を搭載したモデルがミッションタイマーのEZM13.1です。2014年からスタートしたこのクロノグラフは2022年にマイナーチェンジを行い今のスタイルが完成しました。基本仕様はEZM3と同様で、これに加えEZM13.1では逆回転防止のダイバーベゼルは特殊結合方式で固定されています。
このモデルの最大の特徴は6時位置に大きく配置された60分積算計です。EZM13.1は60分(一時間)までの計測が可能なクロノグラフで、経過時間を素早く直感的に読み取るために積算計を6時位置に大きくレイアウトしています。
さらにこのモデルでは、水中でのクロノグラフ操作が可能です。

ミッションタイマーEZM3シリーズの新作誕生

EZM3シリーズは、2001年に最初のモデルが完成したあと、2015年に20気圧の防水性能を備えたパイロットウォッチのミッションタイマーEZM3.Fが追加され、その後いくつかの限定モデルも生まれました。どの時計も外装は通常のステンレススチール製ケースで、長いことブラック仕上げの時計の登場が待たれていました。そして、ついにこのEZM3シリーズに待望の2つのブラックモデルが誕生しました。

EZM3

レギュラーモデルとして新たに加わったのはEZM3と同様のミッションタイマースタイルとスペックを持ち、ステンレススチールにブラック・ハード・コーティングを施した「EZM 3 S」。より精悍でタフな印象のダイバーズウォッチです。

EZM3

もうひとつは日米限定モデルとして、日本では100本のみの販売となる「EZM 3 S W」。ブラック・ハード・コーティング仕上げのステンレススチール製ケースにシリーズ初のホワイトダイヤルを備え、ブラックの針やインデックスは夜光処理により暗所で緑色に光ります。ベルトはケースと同様のブラック・ハード・コーティング仕上げのステンレススチール製ブレスレットを標準装備とし、特別ケースに赤ステッチのブラック・テキスタイルストラップを付属しています。

どちらのモデルも間もなく発売開始となります。

映画やドラマをサポートするEZM3も、リアルな現場で活躍するEZM3シリーズの腕時計も、ミッションタイマーとしての高い視認性、着け心地の良さ、耐久性が高く評価されています。これらの特性は、プロフェッショナルな環境でも信頼性を発揮し、日常生活でも使いやすいという魅力を持っています。単なるツールウォッチの枠を超えて、手に入れた人のライフスタイルに新たな価値とドラマティックなエッセンスを加えてくれることでしょう。

次にどんなシーンで、どんなキャラクターが着用するのか楽しみです。

EZM3