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素材へのチャレンジ1800.S.GG.DAMASZENER

1961年の創業以来、ジンは改良を重ねた技術と伝統的な技法を組み合わせ 時計製作では使用されてこなかった素材へのチャレンジを続け、次々と新素材を導入しました。
1995年には、ステンレススチールと同等の硬度を持つ22カラットゴールドを、 2005年にはダイバーズウォッチとして初めてドイツ潜水艦用のUボート・スチールを採用。
2016年に発表した「1800.S.DAMASZENER」では伝統的な素材を初めてケースに使用しました。
その洗練されたコンセプトを進化させ、新たに誕生したのが「1800.S.GG.DAMASZENER」です。

 ダマスカス鋼は何世紀にもわたり人類を魅了してきた伝説の鋼で、現代ではそれに代わり積層鍛造されたスチールが刀、ナイフ、剣の生産に使われています。
2016年にジンは「1800.S.DAMASZENER」というモデルで初めてダマスカス模様の積層鋼材をケースに採用しました。このときは粉末冶金という素材工学を応用し、異なる種類のスチールを組み合わせ、ブラック・ハード・コーティング仕上げを施しました。2018年には長年にわたるジンのパートナーであるドイツBALBACHDAMAST(バルバッハダマスト社)が製造した、時計ケースへの使用に耐えうるダマスカス模様の積層鋼材を使用して、スチール色を活かした「1800.DAMASZENER」を製作しました。そして、このシリーズ第3弾として、前作の品質の高さをそのままに継承しつつ、あらたな特徴を加えた「1800.S.GG.DAMASZENER」を完成させました。

 ジンが採用するバルバッハダマスト社のダマスカス模様の積層鋼材は、異なる種類のスチールを重ねて鍛造溶接し、真っ赤に熱した高温状態で折り畳み、ふたたび重ね合わせます。これは専門用語で「フォールディング」と呼ばれる製法で、柔らかい鋼と硬い鋼を組み合わせることで、両方の特性を持つ新しいタイプの金属が出来上がるのです。工程の最終段階では、表面のエッチングによってダマスカス特有のパターンが浮かび上がります。酸の腐食作用で表面に高低差が生まれ、典型的な明暗のニュアンスを形成します。

 以下のYouTubeにて、このモデルでジンが採用したバルバッハダマスト社によるダマスカス模様の積層鋼材の、とても興味深い製作過程を見ることができます。

 ここで鍛造溶接されたスチールは、ジンのケース工房SUG(ザクセン時計技術社グラスヒュッテ)に送られ、圧延、ウォータージェット、削り出しという工程を経て、1点1点表面模様の異なるケースが生まれます。最終工程で生まれるダマスカス特有のパターンは意図的に生成できないため、ひとつとして同じ模様のケースは存在しません。さらに完全なブロックから作られたケースとダイヤルはダマスカス模様が途切れることなく続き、独特で趣のある外観を形成しています。

 1800.S.GG.DAMASZENERでは、リューズ、尾錠、裏蓋にもケース同様にダマスカス模様の積層鋼材を使用しています。ケースを含むこれらのパーツはテギメント加工とブラックPVDによるブラック・ハード・コーティングで、セラミックスと同等にまで耐傷性が高められています。

 さらにこのモデルならではの特徴は、18金製の針とアプライドインデックスです。これらは職人の手作業により1ピースずつ丁寧に取り付けられ、ブラックケースの独特なパターンと18金の輝きが相まって、高級感のあるマニッシュな外観が完成します。

 アプライドインデックスと時・分針には夜光処理が施されており、暗所でもダイヤルの時間を読み取ることができます。
 ケースサイズは直径43mm、厚さ10.4mm。程よいボリューム感です。

 アプライドインデックスと時・分針には夜光処理が施されており、暗所でもダイヤルの時間を読み取ることができます。

 ケースサイズは直径43mm、厚さ10.4mm。程よいボリューム感です。

1800.S.GG.DAMASZENERは、特殊な素材の魅力を余すところなく表現したモデルです。
日本には4月、上陸予定です。

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