Columnコラム
Sinnジンの機械式腕時計
103シリーズの歴史
1960年代に誕生した最初の103クロノグラフは、Valjoux72を採用した3時・6時・9時位置にインダイヤルを配した「トリコンパックス/下三つ目」スタイルのクロノグラフでした。その後、時計業界では1973年にValjoux7750とValjoux7760が誕生し、Sinnジンは1980年代後半にこれらを搭載した現在の103の前身となるクロノグラフを製作しました。20気圧の防水性能を備えたサブマリナーケースを採用し、6時・9時・12時位置にインダイヤルを配した「縦三つ目」配列のパイロットクロノグラフです。そして、1990年代頃から新しいケースを採用し、それが今日の103シリーズのクロノグラフとなっています。1992年には103シリーズに初めてサファイアクリスタルが装備されました。
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1960年代
103.A
Valjoux72搭載 -
1980年代
103.B
Valjoux7760搭載
この進化は、Sinnジンが常に技術革新とユーザーのニーズに応える姿勢を持っていた証拠です。103シリーズのクロノグラフは、そのデザインと機能性で時計愛好家のみならず、プロフェッショナルなパイロットや冒険家にも愛されてきました。1990年代後半から2000年代に入るとSinnジンは独自の技術開発に力を注ぎ、除湿機構やオイルフリーの技術を採用したクロノグラフも生まれました。耐磁性や耐衝撃性においてドイツ工業規格DINに基づき製作されたSinnジンのクロノグラフは、過酷な環境下でも信頼できる時計としての地位を確立しました。
また、Sinnジンはデザイン面でも時代の変化に対応し続けています。103シリーズのクロノグラフは伝統的なスタイルを守りながらも、現代的な要素を取り入れることで、ファッション性と実用性を兼ね備えたモデルを次々と発表しています。これにより、103シリーズのクロノグラフは単なる計時ツールではなく、個性を表現するファッションアイテムとしても高く評価されるクロノグラフとなりました。
このようにして、Sinnジンの機械式腕時計103シリーズのクロノグラフは半世紀以上にわたり進化を遂げ、バリエーションを増やし、今なお時計市場においてパイロットクロノグラフを代表する腕時計として、確固たる地位を確立しています。現行の103シリーズには以下のようなクロノグラフがあります。
Sinnジンのフラッグシップ、
クロノグラフ103のバリエーション
Sinnジンのフラッグシップであるクロノグラフ103シリーズは、機能性と美しいデザインのバランスを追求し、さまざまなバリエーションを展開しています。最も基本的なクロノグラフは、シンプルなデザインと確かな機能性を兼ね備えており、クロノグラフとしての基本を体現しています。
変わらず常に“基本”であり続ける
クロノグラフ
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サファイアクリスタル/ステンレス製ベゼル
103.B.SA.AUTO -

アクリル風防/アルミ製ベゼル
103.B.AUTO

103.B.SA.AUTO
103シリーズのクロノグラフが誕生した初期の頃からの完成されたフェイスとポリッシュ仕上げのステンレススチール製ケースが作るフォルムは、Sinnジンの「超定番」です。ツールウォッチでありながら、さりげない色気を感じさせるこの103.B.SA.AUTOは、オンでもオフでもクラス感のあるスタイルづくりに貢献します。

103.B.AUTO
温かみがあり、丸い独特なフォルムを持つアクリル風防がクラシックな印象を作るクロノグラフ103.B.AUTOは、アルミ製ベゼルのブラックが際立つ腕時計です。スタイルはクラシックでも、実用的なデイデイト表示や、20気圧の防水性能、暗所での視認性といったSinnジンの基本仕様はしっかりと備えた、長く愛されているクロノグラフです。

シリーズに共通した直径41mmのケースは
クロノグラフでありながら腕に馴染みやすいサイズです。
クラシックで希少な
2024年の新作腕時計
2024年にはクラシックでありながらも希少な新作の腕時計が登場しました。ごく少数しか生産されず、現時点では世界でわずか数本しかその存在が確認できていない1970年代のSinnジン社製クラシッククロノグラフ「103.C」のオマージュとして、世界限定1,000本で製作されたのが「103.St.Ty.Hd」です。このクロノグラフは伝統的な美しさを保ちつつ、現代的な技術を取り入れた腕時計で、コレクターにとって見逃せない一品です。アクリル製風防やアルミ製のブラックベゼルはもちろん、マットシルクのライトイエローのインカウンターをV字に配置し、タキメータースケールを備え、赤い色をポイントカラーにしたダイヤルデザインは、オリジナルのクロノグラフそのままです。


そして、何よりこのクロノグラフに価値を持たせているのは、オリジナルに忠実に手巻式ムーブメントを搭載している点です。103シリーズのクロノグラフにおいては実に約20年ぶりのことです。トリコンパックスの美しい配置を活かすため、このクロノグラフにはオリジナルモデル同様に日付表示を搭載していません。セリタ社製手巻きムーブメントは約56時間のパワーリザーブを持っています。

この腕時計のケースサイズはシリーズ共通の直径41mmです。手巻式クロノグラフムーブメントの搭載により、ケースの厚さは14.8mmと、103シリーズの他のモデルに比べ薄くなっているため、腕への高い装着感を提供します。
このモデルにはドイツのヘッセン州に生息する野生のイノシシのレザーを採用しています。腕時計には、ダイヤルのポイントカラーに合わせ赤いステッチを施した深いグリーンのボアレザーが装着され、ブラックのボアレザー1本が付属されます。

山型のファセットを持ったアプライドインデックスにより
時計が動くたびに様々な表情が生まれます。
Sinnジンの時計作りの美学を感じることのできる1本です。
軽さを求めるなら
こちらのクロノグラフを
腕時計選びの際に重さは重要なポイントです。軽さを求めるのであれば腕時計の素材はチタンが最適です。素材にチタンを採用したモデルは、長時間の着用でも疲れにくく、アクティブなライフスタイルを好む方に最適です。
Sinnジンは1980年代から1990年代にかけて、クロノグラフ103シリーズのケースに「純チタン」を使用し始めました。Sinnジンでは現行の他のシリーズではグレード5の高強度チタンを採用していますが、103シリーズのクロノグラフでは当時の伝統を受け継ぎグレード2の純チタンを採用しており、現行の「103.TI.AR」クロノグラフも同様のグレード2のチタン製です。チタンの特性につきましては、メールマガジンvol.53「ジンが採用しているチタンについて」をご覧ください。

チタンの利点はその圧倒的な軽さにありますが、103シリーズのクロノグラフで比較すると、ステンレススチール製103.B.SA.AUTOのブレスレットを付けた状態が約187gであるのに対し、チタン製103.TI.ARのブレス仕様は約126gで、ちょうどテニスボール1個分くらいの違いがあります(販売時のブレスレットの駒を抜かない状態)。
実は103.TI.ARは軽さもさることながら、見た目の印象が他の103シリーズのクロノグラフとは異なります。ポリッシュ仕上げのケースを採用し艶のあるステンレススチールモデルと比べると、チタンはやや暗めの色で、103.TI.ARのケースはサンドマット仕上げを施しているため、よりツール感の高い精悍な印象を受ける腕時計に仕上がっています。Arドライテクノロジーの赤いマークもポイントカラーです。

腕時計はステンレススチール製ブレスレット仕様から
レザーベルト仕様になると
レザーの種類にもよりますが重量は80g前後とグッと軽くなります。
103シリーズの最上位機種

103シリーズの最上位機種は、ジン独自の「ディアパル」という技術を搭載した「103.B.SA.DIAPAL」というクロノグラフです。ディアパルは2001年に誕生し、最初に6000シリーズのモデルに搭載されました。現在、358、900といったシリーズの上位機種に搭載されています。


ディアパルは、脱進機にオイルなしでも摩擦を起こさず、ムーブメントの耐久性を高め、オーバーホールのインターバルを通常の約二倍へと伸ばします。103.B.SA.DIAPALにはコラムホイールを備えたラ・ジュー・ペレ社製ムーブメントLJP8000に、特別なディアパル用ガンギ車を搭載しています。

ディアパル搭載モデルのダイヤルは少し目の粗いテクスチャーのあるアンスラサイトカラー(グレー)です。Arドライテクノロジー表示のマークはブラックで控えめに印されています。この腕時計には日付表示に加え、リューズ操作で設定が容易にできる第二時間帯表示針を備えていますので、海外の時間の確認に便利です。
常に変化し続ける時計業界において世代を超えた103シリーズの継続性と不変性は驚くべきものがあります。長年にわたり開発されてきた103シリーズの様々なバリエーションは時代を反映した性能や適応性を備えここにひとつの完成されたコレクションを確立しました。103シリーズはこれからも愛され続けるに違いありません。
腕時計を選ぶ際に大切なこと
クロノグラフ機能を持つ腕時計は、単なる時間を知るための道具を超えて、スタイルや機能性を求める方にとって魅力的な選択肢です。その多様なモデルから自分に合った一本を選ぶためには、まず自分のライフスタイルや好みに合ったデザインや機能を考慮し、どのモデルが最もフィットするかを検討してみてください。さらに、実際に店舗で腕時計を試着してみることもおすすめです。腕時計のサイズ感や重量は、画像からでは感覚をつかむのが難しく、実物を手に取ることでその腕時計の質感や重さを肌で感じることができ選択の助けとなるでしょう。そして、Sinnジンのクロノグラフ103シリーズを選ぶことで、単なる腕時計以上の価値を手に入れられるはずです。次のステップとして、ぜひジンの正規店を訪れて、あなたにぴったりのクロノグラフを見つけてください。



