Columnコラム
高い防水性能を誇る
ジンの機械式時計の新作
退役したドイツ潜水艦のスチールを採用した、500mから2,000mという高い防水性能を備えた3種類の新作ダイバーズウォッチ「U15」「U16」「U18」が登場しました。Sinn(ジン)のこの機械式の新作は、日常生活からプロのダイバーまで幅広いニーズに応える革新的な防水アイテムというだけでなく、歴史と技術が融合した特別な限定防水時計です。このコラムでは、Sinn(ジン)が防水時計に採用している特殊鋼Uボート・スチールについて、さらにこの新作時計の最大の特徴である特別な素材に関する解説やこれらの新作の特徴など、高い防水機能を誇る新作3種類の時計を掘り下げます。個性あるメンズのダイバーズウォッチを探されている方にとって、他人とはひと味違うものを探すチャンスです。そして、ダイバーズウォッチ好きの機械式時計ファンにとっては必見アイテムと言えます。

Sinn(ジン)がダイバーズウォッチに採用するドイツ潜水艦の鋼鉄とは
Sinn(ジン)の防水時計は、驚異的な耐久性と防水性能を誇ることで知られる人気の高いダイバーズウォッチで、その秘密の一つは、ケースの素材にドイツ海軍の潜水艦に使用される鋼鉄と同じUボート・スチールを採用している点です。Sinn(ジン)が2005年から採用しているこの鋼鉄は、海中での過酷な環境に耐えるために特別に開発され、優れた耐腐食性と強度を持ち合わせています。この特性が、Sinn(ジン)の時計における防水性能を飛躍的に向上させています。

一般的なステンレス鋼とは異なり、Uボート・スチールは強度を高める窒素や、錆に対する耐性を高めるモリブデンを含有する耐食性に優れた高強度ステンレス鋼で、長期間にわたって海水の影響を受けにくいという特質があります。これにより、Sinn(ジン)の防水時計は水中での信頼性を確保し、深海でも安心して使用できるのです。また、この鋼鉄は残留磁気のない卓越した非磁性体でもあります。
退役したドイツ潜水艦の鋼鉄
- 時計の素材としての新しい生命

Sinn(ジン)が通常、防水性の高い時計に採用しているUボート・スチールは、新品未使用の鋼鉄です。今回、Sinn(ジン)はこのUボート・スチールの採用から20年を記念して、特別な素材を入手しました。

新作U15、U16、U18に採用したUボート・スチールは、他のどのタイプの潜水艦よりも長く40年近くにわたりバルト海とそのルートを守りドイツに奉仕し続け退役した、206型潜水艦U15、U16、U18の外殻から入手した特別なUボート・スチールです。

ドイツ潜水艦の元乗組員による綿密な記録によれば、1974年に就役した潜水艦U15は36年間で200,045海里、1973年に就役した潜水艦U16は37年以上で207,000海里、同じく1973年に就役した潜水艦U18は37年以上で192,842海里、水上と水中の両方で驚くべき距離を走り回りました。これらが今日Sinn(ジン)が作る高い防水性能を備えた3つのユニークなダイバーズウォッチとして新たな命を吹き込まれ、時計の素材として注目を集めています。
この潜水艦素材を防水時計のケースとして使用するにあたり、最初に船体の付着物を除去する必要がありました。また、最大の課題となったのは、船体の湾曲でした。この鋼材の幾何学的パラメーターは従来のUボート・スチールとは異なっていたため加工時間が40%も増加し、製造工程を完全に変更する必要がありました。


このプロジェクトを成功させるため、Sinn(ジン)は持てる限りの専門知識と創造性、職人技を駆使し、3つの新しい防水時計を誕生させたのです。

このような情熱をもって、退役した潜水艦が時計のケースとして生まれ変わったUボート・スチールは、時計に歴史とストーリーという単なる素材以上のものを提供します。この3種類の新作のモデル名は、それぞれの潜水艦の名に由来しています。潜水艦としての役目を終えたスチールが、防水性能の高い時計として新たな時間を刻むことには、特別なロマンがあります。この腕時計を身に着けることで、ただ時を知るだけでなく、過去の偉業と先進的な技術の融合を常に感じることができるのです。このような他に類をみない独自のストーリーを持つ時計は、他の時計には持ち得ない個性を与えてくれます。


また、特筆すべきこととして、既存の素材をリサイクルして使用するという環境へ配慮した取り組みも重要なポイントです。さらに今回は、スチールの矯正板から時計のミドルケースやベゼルを切り出したあとに残った鋼材(ブランク)に潜水艦名を刻印し、それぞれの時計に付属しているのも、この新作の大きな魅力のひとつです。このように時計は、単に時間を確認するためのツールではなく、持つ人の価値観やライフスタイルを表現するアイテムとなります。
この特別な素材が潜水艦から時計になるまでの詳細は、以下のページで動画とともにご覧いただけます。
防水性能表示
- Sinn(ジン)の新作時計の性能
時計の防水性能を示す表示には、「気圧(ATM)」と「メートル(m)」という2つの異なる単位があります。これらの単位は、それぞれ時計が持つ防水性能を表す指標であり、異なる側面を説明しています。
「気圧」は時計が耐えられる水圧の強さを示しており、一般的に1気圧は約10mの水深に相当します。これは、時計が「静止した状態」で一定の水圧に耐えられることを意味します。したがって、「10気圧防水」と表示された時計は、理論上100mの水深に耐えられることになります。しかし、実際の使用環境では、水中での動作や温度変化などの要因によって、防水性能が低下する可能性があるため注意が必要です。
「メートル表示」は、時計が耐えられる水深を直接示すものですが、これもまた「静止状態での理論値」であることを理解しておく必要があります。実際の使用では、動きや温度変化、圧力の変化などにより、性能が影響を受けることがあります。
時計を安全に使用し続けるためには、表示されている防水性能を参考に、使用状況に応じて適切に確認することが重要ですが、Sinn(ジン)のこの3種類の新作ダイバーズウォッチは高い耐圧性と防水性能を備え、オスロに拠点を置く国際的な第三者機関である船級・認証機関であるDNVの検査・認証を受けているため、極限の状況下でも安心してご使用いただけます。防水性能においては、Sinn(ジン)は常に革新的な技術を追求し、特に防水時計としての機能性に優れているため、プロのダイバーやアウトドア愛好者からの信頼を得ています。
500mの防水性能を備えたU15
Sinn(ジン)の新作時計U15は、500m/50気圧の防水性能を備えたモデルです。直径41mmのケースにスイス製自動巻きムーブメントSW300-1を搭載したこの防水時計のブレスを除いた時計本体の重さは約74gで、装着感の高さは抜群です。シンプルながらも洗練されたこの時計のダイヤルデザインはSinn(ジン)のコレクション中でも人気の高い防水時計U50をベースとしています。日常使いにも適しており、カジュアルからビジネスまで幅広いスタイルにマッチします。もちろん、サーフィンやシュノーケリングなど、様々な水辺のアクティビティにも最適な時計です。


U16は1,000mまで到達可能
新作時計U16は、Sinn(ジン)が誇る優れた防水性能を持つダイバーズウォッチの一つで、その防水性能は1,000m/100気圧です。この時計は、プロフェッショナルダイバーや極限の環境での使用を想定して設計されており、信頼性の高いパートナーとして活躍します。モデルU15より少し大きめの直径44mmのケースにスイス製機械式ムーブメントSW200-1を搭載したこの時計は、どのようなシーンでも際立つ存在感を放ち、高い防水性能により日常使いはもちろん、特別な冒険のパートナーとしても適しています。


ケース直径44mのU18は2,000m
モデルU18は、Sinn(ジン)の機械式のダイバーズウォッチ中では最高峰の防水性能と機能性を誇る時計で、その仕様はプロフェッショナルダイバーや深海探査に携わる人々にとって理想的です。2,000m/200気圧という驚異的な防水性能は、通常の防水時計ではカバーしきれない深海域での使用を可能にします。モデルU18には、直径44mmの時計ケースに精度の安定とガラス内部の曇りを防止するArドライテクノロジーを搭載しています。Sinn(ジン)の技術力と革新性が詰まったこの時計は、防水性能が求められる様々なシーンでその力を発揮します。モデルU18を手にすることで、未知の世界への挑戦がより安心で快適なものとなるでしょう。


3種類の新作はいずれも退役したドイツ潜水艦の希少な鋼鉄を採用しており
各1,000本の限定生産となります。
新作ダイバーズウォッチ
U15、U16、U18の特徴
メンズの防水腕時計は、日常生活はもちろん、アウトドアやスポーツシーンでも欠かせないアイテムで、選ぶ際には防水性能だけでなく、デザインや機能性も非常に重要です。Sinn(ジン)の新作の3種類の時計はダイヤルデザインにも特徴があり、防水時計に最適な工夫が凝らされています。さらに操作性や安全性の点でもこだわりぬいて製作しているため、スタイリッシュで実用的な防水時計として様々なライフスタイルをサポートします。新作防水時計のU15、U16、U18には、以下のようなSinn(ジン)ならではの特徴があります。
#01
ハイグロスダイヤル

新作の外観的な一番の特徴は、深い青みがかったグリーンをベースとしたハイグロスダイヤルです。ダイヤルカラーは水深約30mから広がる秘境的な大海原を表現しており、メタリック仕上げの上昇する気泡がより目を引く独特なデザインは防水時計のイメージにピッタリです。ダイヤル6時位置の潜水艦に由来するモデル名の下には、「KLASSE 206」という艦艇の型名と、前述の各潜水艦の航海距離が記されています。
#02
高い視認性

視認性はSinn(ジン)が時計を開発する際に最も重要視している点で、特に防水時計に対しては無駄のないミニマリズムを追求し視認性の高さを確保しています。Uシリーズのダイバーズウォッチはシンプルで明確なダイヤルデザインが特徴です。U15とU16はキャンドルのような形の極太の針やインデックスで、それぞれのアイデンティティを強めています。U18は太い剣型の針とミッションタイマーに由来する12時位置の二本線のインデックスが特徴です。いずれの時計も分針や秒針がしっかりと目盛に到達しており、時間の判読性に優れた防水時計です。また、針やインデックスには高輝度の夜光塗料を採用し、防水性能の高い時計が直面する深海の暗闇でも視認できるようになっています。
#03
時計ケースとベゼルの仕上げ
#04
時計の快適な装着感


ダイビングの際の快適な装着感を得るため、Uボート・スチールを採用した防水時計のケースの厚さとリューズ位置には工夫があります。500mという高い防水性能を備えたU15のケースの厚さはわずか11.2mmです。1,000mの防水性能を備えたU16は14.7mm。2,000mのU18でも15.5mmというケース厚を実現しているのは、強度の高い潜水艦の鋼鉄を採用しているからですが、Sinn(ジン)では針と針の隙間を極力詰めることでケースの厚みを抑えることに成功しています。さらにリューズを4時位置に配置することで、手首にあたらないという工夫も凝らされています。
#05
操作性と安全性へのこだわり

ダイバーズウォッチにとって操作性と安全性は命を守るための重要項目のひとつです。Sinn(ジン)のUシリーズの防水時計は、徹頭徹尾 こだわりぬいたフォルムを追求しています。回転ベゼルには大きなくぼみを付けリューズを大きな波型の形状にすることで、非常に操作性の高い設計となっています。また、不意の衝撃などにより回転ベゼルが外れてしまわないよう、ビスを使ったジン独自の特殊結合方式によりケースに固定されているため、外れる心配がありません。
#06
プラスチックを使わない時計ボックス

紙から作られた環境に優しいプラスチックフリーの新しい時計ボックスには、それぞれの時計の取扱説明書を付属しています。前述の各潜水艦名を刻印した鋼材も、リネンバックに入れこのボックス内に収納します。それぞれの名を刻印したこの鋼材は、ドイツ海軍の歴史の一章を物語る記念の品として飾ったり、ペーパーウェイトとしてお使いいただくこともできます。


#07
時計裏面の刻印


この希少性の高い防水時計の証として、時計の裏面には206型潜水艦のシルエットを刻印し、世界1,000本の限定品であることを示す0001/1000から1000/1000までの限定番号を刻印しています。
ドイツやスイスのフェアで
大好評を博した『防水時計の雄』


これらの新作は、2月にドイツ フランクフルトのSinn(ジン)本社内アトリウムで開催した特別エキシビションで発表され、ドイツ連邦海軍のさまざまな潜水艦の元乗組員も来場し好評を博しました。4月のスイス ジュネーブでの「Time to Watches 2025」においても、世界中から来場した時計通たちを唸らせました。


Sinn(ジン)の時計の中でも特に限定ウォッチは人気が高く、コレクターズアイテムとしても注目されています。通常のラインナップとは一線を画す独特のデザインや特殊な素材を使用した防水性の高いこれら3種類の新作は、他のブランドにはない独自の魅力を放っています。Sinn(ジン)の歴史において最高峰のダイバーズウォッチとしてマイルストーンとなることは間違いなく、これらの時計は単なる時間を計るツールを超えて、持ち主のライフスタイルを象徴するメンズアイテムとなることでしょう。
いよいよ発売開始となったこれらの新作は
時計愛好家やプロフェッショナルにとって一見の価値ありです。
