Columnコラム
耐傷性の高い
テギメント・テクノロジーを
搭載した時計
時計の外装にとって傷は避けられない悩みの種ですが、Sinn(ジン)独自の耐傷性を高めるテギメント・テクノロジーを採用した時計なら、その心配を大幅に軽減できます。この技術は、時計の素材表面そのものを特別なプロセスによって硬化し、傷がつきにくい構造を実現しています。このコラムでは、Sinn(ジン)のミッションタイマーやパイロットウォッチ、そしてダイバーズウォッチにおけるテギメント仕上げのケースを採用したおすすめのモデルをご紹介します。これらの時計は、過酷な状況でもその美しさを保つよう設計されています。耐傷性に優れた時計を選ぶことで、日常のアクティビティを思いきり楽しむことができるでしょう。

傷がつきにくい
テギメント・テクノロジーとは
Sinn(ジン)では素材表面の耐傷性を高めるためにテギメント・テクノロジーという特別なプロセスによって時計の金属表面そのものを硬化させ保護層(ラテン語で”tegimentum”)を形成し、時計外装に傷がつくのを防いでいます。セラミックと同等かまたはそれ以上の硬度を保証する耐傷性の高いテギメント・テクノロジーは2003年に国際時計・宝飾見本市「バーゼルワールド」で発表したデュオクロノグラフ「756」(現在は生産終了)で初めて導入されました。当初、テギメント・テクノロジーはステンレススチールにのみ適用されていましたが、現在ではUボート・スチールやチタンにも対応可能で、マットやポリッシュ等、仕上げの種類を問わず施すことができます。
耐傷性の高いテギメント仕上げを施すステンレススチールには、Sinn(ジン)が一般的なモデルに採用している医療用サージカルステンレス(316L)ではなく、腐食や錆に強い高級素材として知られる904Lステンレススチールを採用している点も大きなメリットです。「スーパーステンレススチール」と称されるこの904Lステンレススチールは、2025年現在、ごく限られた高級ブランドのみが採用している素材です。
さらに、テギメント・テクノロジーは高品質なDLCコーティングを施すための基盤となっており、傷に強いブラック・ハード・コーティングは必ずテギメント・テクノロジーと併せて施されます。
テギメント仕上げの傷に強い時計ケースやブレスレットのバックルには、“TEGIMENT”という文字や、これを表すロゴマークが刻印されています。
以下では、カテゴリー別にそれぞれを代表するテギメント・テクノロジーを搭載した傷がつきにくい時計をご紹介します。
MISSION TIMERS耐久性の高い時計
ミッションタイマー
EZM 3 S純粋な機能性には一切の妥協なし

2025年の新作「EZM 3 S」は、EZM3シリーズ待望のブラック仕上げのミッションタイマーです。耐傷性の高いブラック・ハード・コーティングを採用しているため、長い期間にわたり時計に傷がつきにくく、その表面はいつまでも新品のような美しさを保ちます。この時計にはテギメント・テクノロジーに加え100mT(=80,000A/m)の高い耐磁性やジン特殊オイルによる-45℃から+80℃の温度での耐性、時計を湿気から守り精度を安定させるArドライテクノロジーも搭載し、極限状態でも時計は究極の耐久性を発揮します。傷に強いテギメント・テクノロジーを採用している時計ケースは裏蓋も基本的にはテギメント仕上げですが、このEZM 3 S のようにマグネチック・フィールド・プロテクションを搭載している時計は、裏蓋にはテギメント仕上げは施されていません。
EZM 3 S W日米限定100本の新作ミッションタイマー

2025年、EZM3 Sに続いて誕生した傷に強いブラック・ハード・コーティングの時計ケースに白文字盤を採用した「EZM 3 S W」は日本とアメリカの限定で、日本では100本のみ販売されるミッションタイマーです。基本的な時計の仕様や搭載するジン・テクノロジーはEZM 3 Sと同様ですが、EZMシリーズで初の白文字盤は、傷に強いブラックケースとのコントラストが際立つ、希少性の高いダイバーズウォッチです。500mの防水性能は、オスロを拠点とする独立機関DNVの認証を得ており、定期的なオーバーホールやメンテナンスによる修理で時計は長く性能を維持できます。微調整機能の付いたバックルを備えた傷に強いブレスレットを標準装備とし、赤いステッチがアクセントとなるブラックのテキスタイルストラップ1本が付属されています。
EZM12救命救急のために開発された
数々の機能を備えたミッションタイマー

救急医が派遣される救命活動はすべて、時間との戦いです。ドイツには最初の10分で重傷患者に応急処置を施し、事故から1時間以内に病院に搬送する「プラチナの10分」と「黄金の1時間」という基準があります。「EZM12」は、このような救命活動のために設計された耐傷性の高いミッションタイマーです。心拍数を計測するパルスメーターや、安全性に配慮したケース製作、時計のクリーニングを考慮してストラップや回転ベゼルの取り外しを容易にした設計は、この時計ならではの仕様です。激しいミッションに対応するため、傷がつきにくいテギメント・テクノロジーがケースやベゼルに採用されています。ヘリコプターのローター形状を模した秒針は遊び心のあるユニークなデザインで、耐久性も他のモデルに引けを取らない強靭な時計です。
PILOT WATCHESジンの時計製作の基本を備えた
パイロットウォッチ
717ジンの伝統的な
コックピットリストウォッチ

モデル「717」は、ドイツ空軍トルネード戦闘機搭載のジン社製コックピットクロック「Nabo 17 ZM」にインスピレーションを得て開発されました。この腕時計の開発のきっかけはトルネード戦闘機のパイロットからSinn(ジン)に対し、コックピットクロックそのままの腕時計を作ってほしいと依頼を受けたことでした。コックピットクロックの外観を再現するため、717にはSinn(ジン)のキャリバーSZ01を採用し、センター配置のクロノグラフ60分積算計を搭載しています。腕時計はインナーベゼルとサファイアクリスタルが一体化した独創的なデザインで、ジンのDNAを細部に至るまで完璧に体現した、唯一無二の魅力的な時計です。サファイアクリスタルと一緒に時計の外径からインナーベゼルを回転させるこの構造は、2024年に誕生した903シリーズ最新作のヒントとなりました。
856.B.Sジンを代表するテクノロジーを搭載した
パイロットウォッチ

『時計はどこまで機能的でいられるか?』という創業以来のSinn(ジン)の問いを、モデル「856.B.S」に落とし込んだこの時計のプロ仕様の作り込みは、コックピット・ナビゲーション・クロック由来の設計が他社と一線を画す迅速かつ明確な読み取り性能を実現します。3・6・9・12のインデックスを強調し、コックピット内の強い光の反射を抑えるマットブラックの文字盤は、針やインデックスが最高のコントラストを成している時計です。100mT(=80,000A/m)の高い耐磁性を持ち、Arドライテクノロジーにより精度の安定とサファイアクリスタルの曇りが防止されます。傷に強いテギメント・テクノロジーを加えた3つのジン・テクノロジーを搭載した信頼性の高いタフネスウォッチです。
93660分積算計を備えた
バイコンパックス・クロノグラフ

クロノグラフ「936」の特徴は、3時位置の積算計と9時位置の秒針を904Lステンレススチールとサファイアクリスタル風防で引き立てたバイコンパックスのレイアウトです。さらに、3時位置の積算計は操作性の高い60分積算計で、従来の30分積算計において必要とされる二周で一時間という積算をする必要がなく、60分が針の一回転で計測できる時計です。明確なレイアウトと洗練されたディテールを持つSinn(ジン)ならではのデザインで、2020年には世界最大級のデザインコンペティションであるレッド・ドット・デザイン賞を受賞しています。傷に強いテギメント・テクノロジー以外にもマグネチック・フィールド・プロテクションによる100mT(=80,000A/m)という高い耐磁性も備えた耐久性の高いクロノグラフは、腕に大きなインパクトをもたらします。
ここまでご紹介してきた時計のケースには、すべて904Lステンレススチールが採用されています。過去のテクニカル・コラムページの中で、テギメント仕上げのステンレススチールと、テギメント仕上げなしのものを実際にスクラッチしている動画を掲載していますので、このテクノロジーの耐傷性の高さをご覧ください。
傷のつきにくさに驚くばかりのテギメント・テクノロジーですが、硬いものにぶつけたときの打痕を避けることはできませんのでご注意ください。打痕が付いてしまったテギメント仕様の時計ケースは磨くことができませんので、メンテナンスの際にその打痕をなくしたい場合には、時計ケースの交換となります。
DIVING WATCHESベゼルの傷が大敵な
ダイバーズウォッチ
U1 S Lシンプルで明瞭な輝きを持つ
1,000m防水のダイバーズウォッチ

実用性と耐久性、デザイン性を兼ね備えた注目の新作「U1 S L」の最大の特徴は、発光塗料を高濃度化したハイブリッドセラミックを広い表面積で使用したフル夜光文字盤です。傷がつきにくいサファイアクリスタル製の風防を組み合わせ、驚くほどの輝度を発揮します。1,000mの水深に耐えるこのダイバーズウォッチは、太い針とインデックスにより高い視認性を備え、深海での過酷な環境においても時間を正確に把握することが可能です。デザイン面においても、モノトーンの配色を持つU1 S Lはブラックのベルトと合わせた無駄のない洗練されたスタイルで、機能性と美しさを両立させています。この時計は、プロフェッショナルはもちろん、その頑丈さと優れた機能性から日常使いにも適しており、過酷な条件下での使用を想定した時計を探している方にとって、理想的な選択肢となるでしょう。
U50.HYDRO.S41mmのケースに驚異の5,000m防水と
高い視野角度を持つユニークウォッチ

ハイドロ・テクノロジーによる5,000mの高い防水性能を備えながら、時計ケースは直径41mm、厚さわずか11.8mmの装着感に優れたサイズを実現したのがU50.HYDROシリーズです。ハイドロ・テクノロジーは、特殊なオイルを充填することで深海での時計に対する外圧と内圧の差をなくし、5,000mの防水性能を生み出しています。さらに、水中での反射や曇りを完全になくし、どの角度からでも文字盤を読み取ることができます。傷に強いブラック・ハード・コーティングを施した「U50.HYDRO.S」は、ダイバーズウォッチにとって必要不可欠な部分はホワイトに、日付表示などのダイビング時には必要のない部分は赤色にしたカラーリングが特徴的です。標準装備はブラックのシリコンベルトですが、904Lステンレススチール製ブレスレットを装着すれば、一層精悍な印象になります。ハイドロとテギメントという2つの技術の組み合わせにより、日常使いにも最適な時計となっています。オイル充填という特性から、この時計には電池式のクォーツムーブメントを採用しています。
U2.S第二時間帯表示を備えた2,000m防水の
ダイバーズウォッチ

「U2.S」は、海外でダイビングするときにおすすめの便利な第二時間帯表示を備えた2,000m防水のダイバーズウォッチです。“必要な機能だけを搭載する”というSinn(ジン)の時計製作における哲学に基づき、第二時間帯は赤色で表示しています。何故なら、海中では水深10mを越えたあたりから赤い色が見えにくくなり、ダイビングに本来必要な機能だけに集中することができるからです。傷に強いテギメント・テクノロジーだけでなく時計を湿気から守り精度を維持するArドライテクノロジーを採用しています。通常の時計はドライカプセルが1つですが、このU2シリーズには3つのドライカプセルを搭載し、ひとつはダイヤルの6時位置から見えるところに配置しています。時計をオーバーホールする際には自動的に3つとも新しいドライカプセルに交換される、メンテナンス性に優れたサービスを保証しています。さらに、特殊オイル66-228の使用により-45℃から+80℃の範囲での精度も保証されています。
Sinn(ジン)がこれらのUシリーズの時計ケースに採用しているUボート・スチールは、ドイツの潜水艦メーカーであるティッセンクルップ マリンシステムズが、ドイツ海軍の212クラスの非原子力潜水艦の外殻のために開発した腐食に強い特殊鋼です。海水に長期間さらされると悪影響を受けて腐食する可能性のある通常のステンレススチールとは対照的に、潜水艦に使用されているUボート・スチールは、海水との長期間の接触に高い耐性を持った素材です。さらに、最高の非磁性素材であり、ひび割れに対して極めて高い耐性があります。その強度は、通常の時計ケースに使用されている316Lステンレススチールの1.55倍以上で、優れた耐久性を提供します。
これら3つのカテゴリー以外にも、そして上記3つのカテゴリー内にも、テギメント・テクノロジーにより時計ケースの表面が硬化処理されたモデルがほかにもたくさんあります。打痕によるへこみは免れることはできませんが、10年以上使用した時計でも、まるで新品のようにスクラッチによる傷のない状態は、驚かれるユーザーも多いです。時計の外装には研磨や修理の必要はありませんが、機械式腕時計には定期的なメンテナンスが必要であることはどうかお忘れなく。
現行モデルの中でこの傷に強いテギメント・テクノロジーを採用した時計は、Sinn(ジン)の公式サイト内の以下のページの一覧表でご覧いただけます。日常生活の中で時計の傷が気になる方は、是非、どのようなラインナップがあるのかご覧になり、選び方の参考にしてみてください。



